• このシリーズでは時間予約サイトについて説明します。時間予約サイトは時間・分単位でサービスや物件を予約する機能を有します。教育、レストラン、サロン、時間貸しするレンタル業などに利用できます。今回はレッスンと会議室の予約ができるサイトの要件定義フェーズについて説明します。

要件の洗い出し

  • 宿泊予約サイトなどのITツールの要件の洗い出しの手順は以下の通りとなります。
    1. ストーリー
      • ITツールを利用したときのストリーで何をしたいのかを示します。利用目的や利用方法が明記されています。
    2. ビジネスモデル
      • ITツールを利用したときのビジネスの流れをフローチャートで示したもの
      • ITツールの利用範囲を明確にする。
    3. システムイメージ
      • ITツールの利用部分をさらに詳細化した図
      • だれがどのように利用するかのイメージと概略の機能を示す。
    4. 要件抽出
      • ITツールに必要な機能、利用環境、利用条件など
      • WordPressのプラグインで実現できる機能をする合わせ
      • プラグインで実現できない要件の対応を検討
  • 以下に要件洗い出しのプロセスを図示します。

ストリー

  • ITツールの導入には必ず、導入の目的や期待する効果があるはずです。このような目的と導入効果をまとめたものをストリー(大規模なシステムではシステム化構想といいます。)といいます。今回のストーリーでは『実現したいこと(目的)』からスタートします。

実現したいこと

▶自分の持っているノウハウを有償で教えたい。

▶自分の家の広間を会議室として多くの人に有償で提供したい。

  • 上記がスタートポイントとなります。『実現したいこと』には具体的な効果、例えば目標の金額や受講生の人数などがあるとそれに対する投資も明確になりますが、実際にはそんなことはやってみないとわからないことが多いため、今回は特に明確にしません。以下に『実現したいこと』をスタートにしたストーリーのサンプルを示します。
  • このサンプルでは、①『実現したいこと』をスタートに②時間予約サイトでの実現方法を単純に明記しています。単純には①と②で終わるのですが、その結果を③分析して④改善することを繰り返すことで『実現したいこと』をよりよくしていくサイクルとなっています。(このようなサイクルをPDCAサイクルといいます。)現実的にはこのサイクルを回していくことで目標も明確になってきます。
  • このストーリーで利用する時間予約サイトの実現性は、ここでは検討していません。既存のWordPressの時間予約サイトを調査して実現性があるかどうかを検討する必要があります。

ビジネスモデル

  • ビジネスモデルは、ITツールを利用した場合のビジネスの流れをプロセスに分解したフローチャートになります。ビジネスモデルにより、ITツール、つまり宿泊予約サイトの利用部分が明確になります。(これはシステムスコープといいます。)
  • ビジネスモデルというと難しく感じるかたは、普通の作業の流れを図にしたものと考えてください。会議室を借りるという一連の作業を図に示し、時間予約サイトを利用する部分とそうでない部分を分けるということです。
  • 最終的には、WordPressで実現する時間予約サイトの機能に制限されますので、最初のうちは、プロセスを概略で定義します。また、時間予約サイトを利用しないプロセスは、さらに単純化することでビジネスモデルが簡素化できます。
  • 以下に単純なビジネスモデルのサンプルを示します。
  • 上記のビジネスモデルはレッスンと会議室賃借の2つのビジネスがあります。 時間予約サイトのプロセス範囲はそれぞれのビジネスの『宣伝』、『ネットユーザが検索・参照』、『予約』の部分となります。また、WEBサイトを利用しないプロセスも単純化しています。この図で時間予約サイトの適用範囲が明確になります。

システムイメージ

  • ビジネスモデルで時間予約サイトのプロセスが明確になりましたので、時間予約サイトの部分を詳細化してシステムイメージを作成します。システムイメージは時間予約サイトの『だれがどのように利用するかのイメージ』と『概略で定義できる機能』を示します。以下にシステムイメージのサンプルを図示します。
  • システムイメージはシステムによって図示の仕方は千差万別となります。システムの専門家であればUMLのユースケース図で表現しますが、システムの専門家でない場合は、『誰が、どのような機能を使うのか』が明確になった書き方であれば問題ありません。
  • 今回の宿泊予約サイトでは管理者の利用(左側)と顧客の利用(右側)に分けて記載されています。管理者だけが利用する機能、顧客が利用する機能、管理者と顧客が連携して利用する機能があります。
  • また、顧客の情報や利用状況などをデータベースに蓄積し、そのデータを利用して分析を行います。分析は時間予約サイトでやるか、別でやるかはここでは規定しません。

要件抽出

  • システムイメージから、必要条件を洗い出します。この必要条件が時間予約サイトの要件となります。つまり、要件は時間予約サイトで実現したい内容となります。以下に今回の要件のサンプルを示します。
  • 上記では、ビジネスモデルやシステムイメージが単純なため、要件も単純になっています。現実的には、今回の要件をベースに、適用したいビジネスの特徴やレンタルしたい物件の特徴などから発生する要件を追加していくこととなります。
  • WordPressで実現できる宿泊予約サイトの機能とすり合わせた結果、すべての要件を実現できるかどうかはまだわかりません。最終的に無償で実現できる宿泊予約サイトの機能とすり合わせます。今回はまずこの要件の状態で完了します。

要件定義

機能一覧

  • 要件から機能を洗い出します。
    • 要件リストから、必要となる機能をマッピングしていきます。この作業は一般的な時間予約サイトの機能を知っておく必要があります。
    • 時間予約サイトの開発経験がないと機能のマッピングは難しいのですが、他の時間予約サイトを利用してみて、利用者側の機能をあらかじめ調査しておき、わかる範囲でマッピングしていきます。
  • 以下に機能一覧のサンプルを示します。

ページ構成図

  • 今回の時間予約サイトのページ構成のポイントは、以下の通りです。
    • ホームページは看板の役目となりビジネスのイメージを表現する。
    • レッスンクラス宣伝で、レッスンの特徴と優位性をアピールする。
    • レンタル会議室宣伝で、会議室の特徴と優位性をアピールする。
    • 予約画面はカレンダー表示で時間単位で予約できるようにする。
  • 以下にページ構成のサンプルを示します。

ページレイアウト

  • 今回の時間予約サイトのページレイアウトのポイントは、以下の通りです。
    • 全てのぺージは、内容を大きく見せることを優先するため、1カラムとします。
    • 予約ページはプラグインのレイアウトをそのまま利用します。
  • 以下にページレイアウトサンプルを示します。

マスターデータ

  • マスターデータはWEBサイトを構築する際に必要となる情報をデータ化したものです。開発するWEBサイトによって、情報の内容と量が変わります。今回の時間予約サイトでは『レッスン情報』、『会議室情報』、『利用規約』が最低限必要となります。以下に『レッスン情報』と『会議室情報』のサンプルを示します。『利用規約』サイトの利用規約、会議室やレッスンの利用規約を明記します。

まとめ

  • 時間予約サイトの要件定義フェーズについて説明しました。要件定義フェーズでは要件の洗い出しと洗い出された要件から要件定義を行い、必要なドキュメントを作成します。
    • 要件洗い出し
      1. ストーリー
        • ITツールを利用したときのストリーで何をしたいのかを示します。
        • 利用目的や利用方法が明記されています。
      2. ビジネスモデル
        • ITツールを利用したときのビジネスの流れをフローチャートで示したもの
        • ITツールの利用範囲を明確にする。
      3. システムイメージ
        • ITツールの利用部分をさらに詳細化した図
        • だれがどのように利用するかのイメージと概略の機能を示す。
      4. 要件抽出
        • ITツールに必要な機能、利用環境、利用条件など
        • WordPressのプラグインで実現できる機能をする合わせ
        • プラグインで実現できない要件の対応を検討
    • 要件定義
      1. 機能一覧(要件から機能を洗い出す)
      2. ページ構成図(要件、システムイメージから、利用しやすいページ構成を決める。)
      3. ページレイアウト(利用しやすいページレイアウトを決める。(ほかのサイトを参照))
      4. マスター準備
        • レッスン情報
        • 会議室情報
        • その他(利用規約他)
  • システムドキュメントは膨大なものからメモ程度のものまであります。どのようなドキュメントを作成するかは、システムの作り方や規模に依存します。WordPressベースでプログラムの追加修正を行わずシステムの開発をする場合、WordPressとプラグインソフトのドキュメントがそのまま利用できますので、作るドキュメントも簡略化できます。プログラムを作るためのドキュメントや利用環境のドキュメントは省略できます。利用目的、効果、必要な機能(プラグインがマッチしているか判断する情報)、設定に必要な情報が明記されたドキュメントが必要となります。
  • 次回はWordPressとプラグイン『Appointments Hour Booking』を利用した時間予約サイトの設定手順について説明しますのでご期待ください。
  • 本講座では極力簡単に説明していきますが、それでも、わかりにくい点やご意見があれば、記事下のコメント欄、もしくはContactメールでお知らせください。皆さんと一緒にこのコンテンツを作っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

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