今回はECサイトの要件定義について説明します。ゼロベースからECサイトの要件を決めるのでは、現実離れしています。自分の実現したいストーリーに近いサイトをベースに要件を定義することで実現性を高めますので、いろいろなECサイトを見たり使ったりして、自分のストリーに近いものをイメージすることが必要です。
ECサイトの要件
- 要件検討する前に
- ネットショップを始める場合、商品の種類によっては許可、免許、販売規制が必要なケースがあります。これらを無視して、問題が発生したときに、知りませんでしたでは済まされません。違法行為となりますので事前に十分確認しておきましょう。”ネットショップ、販売許可”などのキーワードでググると情報が出てきますので必ず確認するようにします。
- 輸入品、食品、動植物は特に注意する必要がありますので、これらを取り扱う際は、慎重に対応するようにしましょう。
- すべてのネットショップでは、『特定商取引に基づく表示』という、法律で決められた表示が義務づけられています。情報を事前に準備し、必ず表示しましょう。以下に表示内容のサンプルを示します。
- ECサイトの要件を検討するため、ネットショッピングビジネスの全体フローからECサイトの対象範囲を決めます。以下に全体フローのサンプルを示します。ECサイトでは大きく商品に関する部分と販売に関する部分に分けられます。要件も分けて検討することで整理しやすくなります。
- 商品に関する要件
- 商品に関する要件はECサイトで最も重要な部分となります。機能的には商品管理、商品検索、商品説明などになりますが、商品の売れ行きは、商品の説明のわかりやすさ、検索の容易さ、サイトのアクセス数に大きく依存しますので、機能だけでなくコンテンツ内容も事前に検討しておきます。アクセス数の向上は、WEBサイトの一般的なSEO機能などが必要となります。
- 以下に、商品に関する要件のサンプルを示します
- 販売に関する要件
- 販売に関する要件では、ショッピングカート、支払い、配送、注文管理については必須の要件で、機能がパターン化されています。販売に使えるポイントなどの特典、会員による特典、マーケティングや販促などは付加的な要件でWooCommerceや拡張機能からマッチした機能を探す必要があります。
- 以下に販売に関する要件のサンプルを示します。
- その他の要件
- 商品と販売以外でECサイトとして必要な要件を以下に示します。ここでは、WordPressを利用してECサイトを作成する前提ですので、WEBサイトの基本要件は含みません。
要件定義
- 機能の洗い出し
- 要件から機能を洗い出します。要件リストに、要件を実現するための機能を前回説明した機能一覧から、機能をマッピング(選んで張り付ける)していきます。
- これらの機能の実現方法はWordPress、プラグインのWooCommerce、無償の拡張機能の利用を前提としますのですべて実現できるかは現時点では確定できないことに留意してください。以下にマッピングした機能一覧を示します。
- ページ構成
- ECサイトのページ構成のポイントは、検索しやすいように商品種類のカテゴリ階層でページ階層を作ります。会員機能がある場合は、会員専用のアクセス権が付与された会員専用ページを追加します。
- 以下にページ構成のサンプルを示します。
- ページレイアウト
- ECサイトのページレイアウトは、見栄えを改善するため、繰り返し修正することとなります。要件定義段階で、修正の多いホームページ、ショップについてのページは、具体的な中身まで定義しておくことで、今後の修正部分をクリアにます。
- 商品ページ、買い物かごページ、決済ページ、マイページはWooCommerceの仕様に依存しますので、ここでは定義は不要となります。
- 以下にページレイアウトサンプルを示します。
- 商品のカテゴライズ(商品カテゴリリスト)
- ECサイトでは商品を検索しやすくするため、商品をツリー構造に分類しておくこと、つまり、カテゴライズ(カテゴリー分けすること)することが重要です。
- 分類は1方法だけでなく、いろいろな切り口で分類できますので、分類の方法ごとに分類リストを作成します。分類方法を増やすことで、いろいろな検索ができて顧客が商品を探し易くできます。
- 以下に分類リストのサンプルを示します。このサンプルでは分類方法として種類による分類、ブランドによる分類、利用目的による分類例を示します。
- 価格や評価についてはWooCommerceに絞り込み機能がついているのでここでは不要となります。
- 商品リスト
- ECサイトで販売する商品のリストを準備する必要があります。これを商品リスト、もしくは商品カタログと呼びます。商品リストは商品名と商品番号、価格、カテゴリ、規格などをリスト化したものです。
- 商品リストはECサイトの業務で利用するキーとなる情報となりますので作成、保存、変更手順もしっかり規定しておく必要があります。以下に商品リストのサンプルを示します。
まとめ
- ECサイトを作成するにあたり、考慮するべき法的な注意事項について説明しました。
- ECサイトの商品に関する要件、販売に関する要件、その他の要件について説明しました。
- ECサイト作成するため、要件定義で定義する5つのドキュメント、つまり、機能一覧、ページ構成、ページレイアウト、商品分類リスト、商品リストについて説明しました。
次回はWooCommerceを利用したECサイトの設定手順について説明しますのでご期待ください。
本講座では極力簡単に説明していきますが、それでも、わかりにくい点やご意見があれば、記事下のコメント欄、もしくはContactメールでお知らせください。皆さんと一緒にこのコンテンツを作っていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
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