今回は、ビジネスサイトのリリースと運用について説明します。リリースは、ブログサイト編で説明した内容とほぼ同じになり、完成判断、動作確認、リリースを行います。ビジネスサイトはビジネスに対する責任が発生ますので、運用はしっかりしておく必要があります。そのため、必ず運用マニュアルを作成しておきます。運用マニュアルは業務マニュアルとシステム運用マニュアルに分けておく必要があります。業務マニュアルは、ビジネスの手順を書きますので、ビジネスのやり方に依存していきます。システム運用マニュアルはWEBサイトの保守作業に関する手順を明記します。
リリース
リリース手順について説明します。ビジネスサイトの場合、要件定義の条件(要件)がクリアできているか判断する必要があります。さらに、公開後は悪意のあるアクセスも想定されますので、リリース時にセキュリティ対策をきっちととしていく必要があります。以下の手順を参考にリリースを進めてください。
- WEBサイトの完成判断
- 要件定義での条件(要件)がクリアしているかを判断します。この時は要件定義で作成したドキュメントで確認します。
- 機能についてはAMP機能が実現できませんでした。スマホの表示が遅くなる可能性がありますがビジネスは実現できます。
- ページ構成は要件通りに構成できました。
- 画面レイアウトはお問い合わせとプライバシーポリシーのページが2カラムとなりました。これもビジネスには影響を及びません。
- 以上の結果からビジネスを行う上で支障はないと判断しリリースを実行します。
- 動作確認
- リリースする前に動作確認が必要となります。システムも製品ですから実際に利用する前にすべての機能テストが必要ですが、WordPress、テーマ、プラグインを利用することでテストは省略できます。WEBサイトの品質はWordPress、テーマ、プラグインの品質に依存します。ただし、プラグインやテーマがWordPressのバージョンに対して互換性が確認できていない場合はプラグインやテーマの機能をテストする必要があります。そのため、極力テーマやプラグインは利用しているWordPressのバージョンで互換が取れているものを選びましょう。
- 動作確認は自分が入力した、メールアドレス、リンク名、固定ページ、投稿ページ、CTAページの動作となります。また、誤字や脱字、不適切な画像が入っていないかも確認します。確認テストも必ずドキュメントを作成し、確認結果を記録しておきます。主な項目は以下の通りです。
- お問い合わせのメール送信の確認
- 各ページのパーマリンク名の確認
- 投稿ページの内容とカテゴリーの確認
- ページ階層、ページ内容の確認
- CTAの動作確認
- リリース(ブログサイトのリリースの例となっています。)
- 最終確認が完了したらリリースです。リリースの流れはテスト環境から本番環境に移行する手順になります。レンタルサーバの会社によって手順が異なりますのでここではお名前ドットコムでの例を動画で示します。
運用
リリース後は運用フェーズに入ります。運用の管理項目を以下に示します。
- セキュリティ管理
- ウィルス対策はサーバで対応しますのでレンタルサーバ会社が行います。基本的には何もする必要がありません。レンタルサーバ会社の対策を確認しておきましょう。
- 不正アクセスとサーバー攻撃はプラグインソフトで対応します。運用手順としてはそれらのプラグインソフトの確認手順、確認の頻度、アラームが発生した場合の対応となります。
- 脆弱性対策は、WordPress、テーマ、プラグインの開発元で対応しますので、常に最新版にアップデートするようにします。ただし、アップデート手順はリリース管理の手順書に明記します。)
- リリース管理
- リリース管理は、WordPress、テーマ、プラグインなどソフトごとに手順書を作成します。手順は新バージョンの確認、バックアップの取得、バージョンの記録、更新後の動作確認などとなります。
- コンテンツ管理
- 固定ページは変更管理手順を明記します。
- 投稿ページは既存ページの変更手順と新ページのリリース手順を明記します。
- メディアライブラリは追加、変更手順を明記します。
- ユーザ管理
- ビジネスサイトは複数のユーザが利用しますので、ユーザの権限を最初に規定しておく必要があります。2-5段階ぐらいに権限を規定して、ユーザに付与します。
- 手順はユーザ申請手順、ユーザ付与手順、ユーザリスト更新手順を明記します。
- 顧客管理
- 顧客管理は業務作業となります。業務マニュアルはビジネスの内容により決まります。
- 機能改善
- 機能改善は、改善レベルを規定しておく必要があります。要件の変更レベルになると機能改善のレベルではなく、プロジェクトを実施する必要があります。
- 改善には時間やコストが発生しますので必ず要望の実施可否判断を行う必要があります。
- 手順は改善要望手順、改善実施判断手順、改善手順、リリース手順など明記します。
- バックアップ
- バックアップはレンタルサーバで行っているサービスもありますので、そちらと合わせてルールを決める必要があります。
- ルールは定期的なバックアップと任意のタイミングのバックアップについて決めて、それぞれの実施手順を明記します。
- バックアップは手動でも取れますが、プラグインを利用して簡単にバックアップ/復元ができます。以下にプラグイン(UpdraftPlus)の利用例を動画で示しますので参考にしてください。
- 広告管理
- アフィリエイトを実施する場合、広告収入などを管理します。
- 収入管理なので業務側でやるか運用側でやるか決めます。
- 手順は利用するアフィリエイトサービスプロバイダーによって若干異なります。
- アクセス管理
- アクセス状況をGoogle Search ConsoleとGoogle Analyticsで状況を確認します。
- アクセス状況の分析と向上活動は業務側と共同で検討していく必要があります。
- トラブル対応
- トラブル対応は、トラブルのレベルに合わせ対応手順をあらかじめ決めておく必要があります。大きな障害時には、すぐにサイトを停止する必要があります。
- トラブル対応は、必ずレポートにまとめておきましょう。
- 手順はトラブル発生報告手順、トラブルレベル判断、対応手順、クロージング手順などを明記します。
まとめ
- ビジネスサイトのリリースと運用について説明しました。ビジネスサイトでは責任が発生しますのでしっかりした手順でのリリースと運用が必要となります。
- リリースは完成判断⇒動作確認⇒リリースの手順に従って行ってください。手順はドキュメント化し実施時に記録しておきましょう。
- 運用は、必ず運用マニュアルを作成し、手順を明確にしておくことが重要です。しっかりしたドキュメントと記録を取ることで、トラブルに強いサイトとなります。
- 簡単にバックアップが取れるUpdraftPlusといプラグインの使い方も説明しましたので、参考にしてください。
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