はじめに
- 個人ビジネスのホームページでは、商品やサービスを販売するにあたり、お金のやり取りが発生します。これまでは、銀行振り込みや現金書留という方法で、間接的にお金を受け取る方法はありましたが、これはでは、顧客が銀行のATMや郵便局に行く必要があり、顧客にとっては利便性は高くありません。デジタル化の時代ではすべてをホームページで完結したいものです。それを実現するのがオンライン決済です。
- 最近はいろいろなオンライン決済サービスが登場して、個人ビジネスのホームページにも利用可能なものがでてきました。その場合、顧客のニーズ、コスト面、難易度、リスクを顧慮して選んでいく必要があります。
- 本稿では、オンライン決済サービスについて概要を説明します。さらに、個人ビジネスのホームページで利用する決済方法について、オフラインとオンラインを合わせて解説します。
オンライン決済サービスについて
オンライン決済はいろいろなサービスが登場しています。今後も、新たなサービスが出てくると予想されますが、2021年時点で、メジャーな7種類のサービスについて説明します。
1.クレジットカード決済
- オンライン決済の中で一番よく利用されています。
- 顧客は自分のクレジットカードを作成し、買い物の支払いに利用したらカード会社からの請求により後払いで対応します。
- ホームページの事業者は、手数料を引かれた代金が、入金されます。
- クレジットカードの不正利用やカード情報漏洩のリスクがあります。不正利用が発生した場合は、ホームページの事業者が損害を補償するのが一般的です(チャージバック)。
2.デビットカード決済
- デビットカード決済は、クレジットカード決済とほぼ同じです。
- 顧客側では、支払いを行ったタイミングで登録している銀行口座から即時に代金が引き落とされるという点が、クレジットカードとの大きな違いです。
3.ネットバンキング決済
- 「ネットバンキング」や「Web口座振替」とも呼ばれる、インターネットを通じて銀行決済をする方法です。
- 顧客がオンラインバンキングを利用していれば、インターネット上で送金指示できます。
- 顧客がオンラインバンキングを利用していない場合、ペイジーのサービスを利用します。顧客側が購入時に発行された情報により、ペイジー対応のATMで支払うことができます。
4.キャリア決済
- 携帯電話の大手キャリア(通信事業者)の利用料金と合算して、決済をする方法です。
- 顧客は携帯電話のIDとパスワードを入力するだけで支払いが完了し、月々の携帯電話料金の請求と合わせて後払いをすることになります。
5.ID決済
- 大手決済サービスのIDを外部サイトでの決済に使う方法で、「チェックアウトサービス」とも呼ばれ、Amazon Payや楽天ペイ、LINE Pay、PayPayなどがよく知られています。
- 顧客は、IDとパスワードを入力するだけで利用できます。利用ごとにポイントが溜まるなどの特典があることも特徴です。
- 自分のIDを事前にクレジットカードへ紐付けるか、銀行口座からチャージ(入金)しておく方法が主流ですが、後払いに対応したサービスもあり、利便性が向上しています。
6.電子マネー(プリペイド)決済
- モバイルSuica、楽天Edy、モバイルWAONなどを利用してオンライン決済します。
- 顧客はFeliCa対応のスマートフォンやFeliCaを読み込む端末など必要な場合があります。
7.コンビニ払い
- 顧客がコンビニ支払票を受け取り、それによりコンビニで支払う。
- オンライン決済サービス事業者の中には、後払い決済を提供しているところもあります(Paidyなど)。
WordPressで作成したホームページで利用するオンライン決済について
顧客が、決済方法が合わなくて、かご落ちしてしまうのを防ぐため、顧客のニーズにあった決済方法を複数準備する必要があります。しかし、準備に多くのコストがかかったり、複雑であったり、リスクが高くては準備できません。そこで、顧客の決済ニーズとホームページ事業者のニーズがマッチした決済方法が選択の対象となります。
顧客のニーズ | 決済方法 |
---|---|
現金で払いたい。 | 店頭払い、代引き、銀行振り込み、コンビニ払い、ネットバンキング(ペイジー利用) |
カードで払いたい | カード決済、ID決済 |
カードはないけどインターネット上で支払いたい | ネットバンキング(顧客がネットバンクをやっている場合)、キャリア決済、電子マネー決済 |
ホームページ事業者(個人)のニーズ | 決済方法 |
---|---|
安く実現したい | 店頭払い、代引き、銀行振り込み、ネットバンキング(顧客がネットバンクをやっている場合 )、 カード決済 (支払いごとに3-4%の費用が発生)、ID決済 |
簡単に実現したい | 店頭払い、代引き、銀行振り込み、ネットバンキング(顧客がネットバンクをやっている場合) 、カード決済 、コンビニ払い、ID決済 |
安全であること | 店頭払い、代引き、銀行振り込み |
上の表から顧客ニーズとホームページ事業者のニーズにマッチする決済方法は以下の通りです。
- 店頭払い
- 店頭払いは、特に何も準備はいりませんが、ホームページの支払選択に追加するだけです。直接現金で支払ってもらうこととなりますが、顧客が遠方の場合は無理ですので、近所で現金で支払いが可能な顧客が対象となります。
- 代引き
- 代引きは、特に準備はいりませんが、ホームページの支払選択に追加するのと宅配業者に依頼することとなります。ヤマト運輸と佐川急便では代引きで、現金、カード、電子マネー、コンビニ払いが可能となります。宅配業者に手数料が発生します。宅配できる商品が対象となります。
- 銀行振り込み
- 銀行振り込みは、銀行口座を準備するだけです。どんな商品にも対応できます。銀行はメガバンク、ゆうちょ銀行、信金など複数用意すると顧客側が便利になります。振込手数料が発生します。
- ネットバンキング(顧客がネットバンクをやっている場合)(オンライン決済)
- 銀行振り込みと同じですが、顧客がネットバンクをやっている場合は、インターネットで決済が完結できます。また、ゆうちょ銀行の場合、振込手数料が無料です。 ネットバンクをやっている顧客が対象となります。
- カード決済(オンライン決済)
- カード決済は、ホームページに組み込むやり方とオンライン決済サービス会社が提供しているページに遷移(リンク型画面決済)する方法があります。組み込む場合も購入者が入力するクレジットカード番号を別の文字列(トークン決済)に置き換えて決済を行える、カード情報非通過型決済サービス一般的です。
- WordPressでも各種オンライン決済サービス会社のプラグインが準備されており、簡単に導入が可能となっています。
- カード決済は情報漏洩やチャージバックなどのリスクがあります。それを回避するため、顧客にログインをさせたり、セキュリティコードを入力させるなどしてリスク低減を図る必要があります。
- カード決済はカードを持っている顧客が対象となります。
上記の5種類の決済が準備できれば、電子マネー、もしくは、コンビニ決済以外は受け付けない顧客以外は網羅できます。コンビニ決済と電子マネー決済もWordPressのプラグインが出てきていますので、近い将来には安全で簡単に実現できると思われます。また、ID決済は、導入がかなり容易になっています。顧客ニーズが高くなれば導入を検討してもいいかもしれません。
まとめ
- 現在利用可能な7種類のオンライン決済について概要を説明しました。
- WordPressでホームページを作成した個人ビジネスに決済方法を導入する場合、顧客ニーズ、コスト面、難易度、およびリスクを考慮する必要があります。 その観点で、以下の5種類の決済方法の導入を推奨します。
- 店頭払い
- 代引き
- 銀行振り込み
- ネットバンキング(オンライン決済)
- カード決済(オンライン決済)
- 電子マネー、コンビニ払い、ID決済などのオンライン決済も利用実績が上がり、顧客ニーズ、コスト面、難易度、およびリスクのハードルが下がれば、導入を検討してもいいでしょう。
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